2007 年 57 巻 1 号 p. 1-9
複数火源が立体的に存在する際の対流と放射による熱フィードバック量を推定するため,分離火炎モデルと融合火炎モデルの2つを提案し,検証した。対流熱流束の推定は,他方の火災による高温プルームの影響を考慮したグラスホフ数を導入した。その結果,2つのプール火災の水平距離が近い場合は,立体的な配置においても融合火炎モデルが実験結果とよく一致する。互いの火源の距離が離れると分離火炎モデルが適用でき,水平配置では他の火炎からの放射が,立体配置では対流と放射の両方が影響する。また,火源のスケール効果について検討した結果,上方に位置する火災は火源の径が0.2m以下では対流の影響が大きく,火源の径が0.5m以上ではほぼ放射が支配的となる。
(オンラインのみ掲載)