防火安全評価法の改善のための議論が盛んであるが,かみ合わないこともある。本研究では,議論の共通枠組みを構築するため,評価システムの最適性について理論的に検討した。まず,簡単な考察から評価システムの意義・役割を明確化した。次に,損失最小評価システムが持つべき要件を求めた。また,この要件を確保するため,工学的データの蓄積とともに社会的に決まる量の把握も重要となることを示した。さらに,誤り最小評価システムが持つべき要件を求めた。最後に,実際の評価システムで用いられているポイント加算型評価システムについて検討し,各評価項目が統計的に独立の場合には,ポイント加算型評価システムでも損失最小評価システムになりうることを示した。
(オンラインのみ掲載)