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焙煎したコーヒー豆はニコチン酸を多く含むことから, インスタントコーヒーのナイアシン活性を測定した. ナイアシン欠-トリプトファン制限食にインスタントコーヒー粉末をそれぞれ1%, 3%添加した食餌を3週齢雄Wistar系ラットに与え, 対照群にはナイアシン欠-トリプトファン制限食にニコチン酸をそれぞれ0%, 0.001%, 0.003%添加した食餌を与えた. インスタントコーヒー摂取により, 顕著な体重増加と血中及び肝臓中NAD含量の増加が認められ, 尿中のニコチンアミド及びその異化代謝産物量も顕著に増大した. 1%コーヒー食は0.001%ニコチン酸食よりも含有ナイアシン当量が少ないにも関わらず, 1%コーヒー食群の尿中異化代謝産物量は0.001%ニコチン酸添加食群よりも高い値を示した.