蒟蒻飛粉を食品素材として活用する目的で, 無処理飛粉(素材 C), 超音波併用のエタノール処理品(素材A), エタノール処理品(素材B)を添加したビスケットを製造し,その製品の化学成分, 嗜好と保存性に及ぼす影響を研究した。結果は, 素材Aは副材料として小麦粉の10%まで添加でき, 焼成品(試料A)の成分はたんぱく質, 食物繊維, 無機成分の含有量が無添加品(試料S)より多く栄養特性の改善が期待された。製品の嗜好性に関与する遊離アミノ酸では試料Aは試料SよりAsp, Glu, Ala, Serなどが多く含まれ, しかも遊離糖の含量が多く旨味を付加し, 嗜好面では試料Aは試料Sと同程度に好まれた。しかし, 素材B, Cの10%添加品は食味が劣った。試料AとSの48日間, 明所(1,500Lx)保存中のPOVは両者とも大きな油脂の変敗はなく安全であった。