伝統発酵食品である乳製品、饅頭、魚醤等に関与している微生物を探索しているが、これら微生物が産生する酵素の働きとして小麦粉たんぱく質を分解する事などをこれまでに明らかにした。小麦中のアレルギー物質は従来から言われている塩可溶性画分のみならず、塩不溶性画分についても報告されている。伝統発酵食品から分離した微生物の安全性と小麦粉たんぱく質の作用を検討した。微生物の安全性試験では、微生物すべての群において体重増加、解剖所見、臓器重量ともにコントロール群と有意な差は認められなかった。コラーゲン分解能の測定では遊離アミノ酸含量の増加が認められた。塩可溶·塩不溶性画分におけるSDS-PAGEでは塩可溶性画分は酵素の働きにより分解され、疎水性部分の分解が示唆された。