12種類の分散染料を用いてポリエステルおよびナイロンの布帛を染色して、太陽光および人工光による布帛への変退色特性を検討した。太陽光中のA領域紫外線量測定と同時に、雨天の日を避けて太陽光に曝露した。一定時間ごとに反射スペクトルを測定して色差を求めた。A領域紫外線蛍光灯を用い同様の実験を行った。太陽光照射による試料布の色差を評価したところ、11種の染料に共通してナイロンでの変退色が大きく、ポリエステルでの堅ろう度が高い傾向が認められた。しかし例外としてC.I.Disperse Yellow-64においては、ナイロンよりもポリエステルの変退色のほうが大きかった。これは、この変退色過程へのA領域紫外線に加えて可視光領域の作用が大きいためと考察された。