【目的】生体内でホルモン様作用を引き起こす環境中の化学物質の影響を抑制することを目的とし、食用植物成分に抑制能を求めた。昨年、本大会にて報告したスクリーニングの結果、BPAのエストロジェンレセプターへの結合抑制効果が高かったものについて、幾つかの視点から検討を行ったので報告する。【方法】培養ラット肝細胞を使用し、1)BPAの細胞への結合抑制の測定(1)T1:BPAとSampleを同時に投与、(2)T2:Sample投与後、1h後にBPAを加え検討した。2)BPAの細胞投与におけるダメージの抑制:生細胞数の測定により検討、(1)Sample抽出法の違い:Hot Water、Cold Water、MeOH(2)Sample濃度の違い:0~110μl(3)BPA曝露時間の違い:30 min、1h、3h、6hによって検討を行った。【結果】1)(1)T1のBPAと同時にSampleを投与した場合と、(2)T2のSample投与後にBPAを加えた場合において、結果の傾向に差が認められなかった。2)(1)の抽出法によるダメージ抑制の結果、MeOH抽出成分が最も抑制率が高く、(2)の場合、0~110μlの範囲において、濃度が高いほど抑制率が高かった。(3)の場合、0~6時間の範囲において、時間経過とともに抑制率が高くなった。