一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
(一社)日本家政学会第55回大会
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洗剤0コース付き全自動洗濯機の洗浄性
増子 富美美谷 千鶴坂本 宗仙小野寺 繭子小西 貴子前田 英理子
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p. 86

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抄録

<目的> 2001年、S社から洗剤0コース付きの全自動洗濯機が発売され、注目を集めている。本研究では、洗浄性などについて、この洗剤0コースと従来型の洗濯コースとの比較を試みた。<方法> 洗剤0コースはS社、洗剤を使う洗濯標準コースはS社及びN社製の全自動洗濯機を用いて行なった。洗剤は、弱アルカリ性洗剤及び中性洗剤を使用した。用いた汚染布は、市販の湿式人工汚染布、EMPA101及び116、及び調製したワイン汚染綿布である。機械力の評価にはMA試験布を用いた。また、市販のTシャツとシャツブラウスを購入し、10回繰り返し洗濯を行い、前後の表面反射率の違いから退色度を求めた。布の耐洗濯堅牢度をJIS L 0844、洗濯による寸法変化をJIS L 1909に準じて測定した。<結果> 洗剤0コースの洗濯水中の有効塩素量は、洗濯標準コースの場合より若干高い傾向を示した。洗剤0コースの洗浄性は、洗剤を使う標準コースと比較すると低いが、洗剤を使わずにN社の洗濯機を使用した場合と比較すると、やや高い傾向にあった。Tシャツ及びシャツブラウスは直接染料で染めたと見られる紺色のものである。Tシャツでは、洗濯による変退色が激しく、洗濯10回での退色度は40%に達した。収縮が激しく、特に、経方向の収縮が顕著であった。布表面に著しいけばが発生した。シャツブラウスでは、Tシャツほど顕著でないが、変退色及び収縮が観察された。

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© 2003 一般社団法人 日本家政学会
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