一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
(一社)日本家政学会第56回大会
セッションID: 2-3-24
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玉ねぎ色素クエルセチン顔料においてのアルミニウム濃度の影響
*山口 江利子小松 恵美子森田 みゆき
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抄録

(目的)身近な材料である玉ねぎ外皮から抽出した色素を用いる媒染染めの教材化を検討している.環境汚染の問題となる金属を含む媒染廃液処理工程の教材のために顔料生成の基礎研究が必要である.本研究では,玉ねぎ外皮色素主成分であるクエルセチンと媒染染色によく用いられるアルミニウムを用い,染色や顔料生成に必須である錯体生成について,アルミニウムの濃度の影響を検討した.
(方法)1.0x10-4Mクエルセチンと1.0x10-3M塩化アルミニウムのメタノール溶液を用いた.錯体を形成させるため,1.0x10-4Mクエルセチン溶液1.5mlに5.0x10-5_から_1.0x10-3Mアルミニウム1.5mlを加え,20℃で180分間反応を行った.クエルセチン-アルミニウム錯体溶液の吸収スペクトルの経時変化は日立製分光光度計U-2010を用いて測定した.
(結果および考察)5.0x10-5Mクエルセチンに対して2.5x10-5_から_5x10-4Mアルミニウム濃度範囲での錯体形成反応では,アルミニウム溶液混合後,クエルセチンの極大吸収波長が長波長側にシフトしはじめた.反応時間90分で極大吸収波長は370nmから450nm付近へと徐々に長波長側にシフトした.クエルセチン/アルミニウムのモル比と極大吸収波長の吸光度の関係から,クエルセチン-アルミニウムの錯体の錯体組成はクエルセチン:アルミニウム=1:3であることがわかった.

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© 2004 一般社団法人 日本家政学会
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