一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
(一社)日本家政学会第56回大会
セッションID: 2-3-30
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「衛生管理実践」授業における問題解決型演習の成果と評価
*岸本 満岩西 恩山本 彩大谷 美都里樫尾 一
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抄録

目的 問題解決型演習はメンバーの力を総合し、演習を通じ学んでいく学習方法である。自ら提起した事柄の問題点は何か、それを解決するには何をどう働きかければ良いかをグループで討論し,調査、計画、実行し発表する。能動的な学習形態の1つといえる。本演習授業における問題解決の対象は大量調理をおこなう「フードサービス実習」の衛生管理システムである。受講生(2年生)は1年次にこの実習を体験し、本演習と並行して実習を実施する。したがって、実習室を“自分の現場”として、衛生管理の評価と改善を行うことになる。演者らは家政系および栄養士養成課程教育において実務、実践的能力の開発は重要であると考える。本研究の目的は問題解決型演習による学習効果の測定と評価を行い、能力開発のための教育手法を検討、評価することである。方法 受講生はフードサービス実習における衛生管理は現状で十分かを自問し問題を提起した。次にその問題に取り組む理由・根拠を明確にするため現状診断を行い、診断結果に基づき改善提案を行い、改善計画を策定し、改善のための活動や教育指導計画を立案した。各段階でレポートを提出させ各チーム毎に成果を発表させた。最後に授業アンケートを実施し学習効果の自己評価等から本演習授業の評価を行った。結果 受講生は衛生管理に強く興味関心を持った(50%)。授業には意欲を持って取り組み(67%)、栄養士として衛生管理は重要な業務であると認識した(100%)。そして、本演習授業を通じ知識が増え(66%)、将来役立つ経験をした(48%)。概ね自己評価もチームメンバーに対する評価も高く、達成感を感じさせることができた。問題解決型演習は受講生の意欲、積極性を引き出し学習対象への興味、関心、知識を高めた。

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© 2004 一般社団法人 日本家政学会
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