一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
(一社)日本家政学会第56回大会
セッションID: 3-1-6
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多糖類ゲルの塩味強度
*森高 初惠内藤 成弘島田 淳子高尾 哲也
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キーワード: , ゲル, 多糖類, 官能評価
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抄録

{目的}寒天、κ-カラギーナン、ジェランガムはゲル化する多糖類である。κ-カラギーナンは2分子に1個の割合で硫酸基を含み、ジェランガムは4分子に1個の割合でカルボキシル基を含んでいる。これら極性の異なる多糖類に塩化ナトリウムを添加したゲルの塩味強度について検討した。{方法}塩化ナトリウムを添加した寒天ゲル、κ-カラギーナンゲル、ジェランガムゲルの塩味強度を官能評価により試験し、破断特性値をクリープメータ(山電製)により測定した。また、離漿率も併せて測定した。{結果}κ-カラギーナンゲルおよびジェランガムゲルの破断応力は塩化ナトリウムの添加により増加した。寒天ゲルの破断応力については、塩化ナトリウム添加の影響は明確には認められなかった。3種の多糖類ゲルの官能評価結果を比較すると、同一の塩化ナトリウム濃度では、寒天ゲルが他の2種類の多糖類ゲルに比較して塩味強度が高いと評価された。また、寒天ゲル、ジェランガムゲルでは両多糖類の濃度変化による官能評価値の差は有意に認められなかった。しかし、κ-カラギーナンゲルでは、カラギーナンの濃度変化により官能評価値に有意差が認められた。離漿率は寒天では寒天濃度の増加に伴い低下したが、塩化ナトリウム濃度の変化による影響は認められなかった。κ-カラギーナンゲルでは、塩化ナトリウム濃度、κ-カラギーナンの濃度の差による離漿率の差は認められなかった。ジェランガムでは、1.5%塩化ナトリウム濃度ではジェランガム濃度の増加に伴い離漿率は低下したが、他の塩化ナトリウム濃度では一概にそのような傾向は認められなかった。

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© 2004 一般社団法人 日本家政学会
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