一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
(一社)日本家政学会第56回大会
セッションID: 3-3-22
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香味野菜の揮発成分による真菌発育抑制効果に関する研究
*福永 陽柚本 玲今井 綾乃田中 辰明
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抄録

<目的>衣類保管時に、市販防カビ・防虫剤を使用するが、それらの中にはシックハウスの原因の一つとされるパラジクロロベンゼンなどの化学物質が含まれているものも少なくない。一方、防カビ作用があるとされる天然物についての報告はあるが、居住環境中に見られる真菌に対する抗菌性の報告例は少ない。そこで本研究では衣類保管を想定し、衣類から分離した2種の真菌について、香味野菜の揮発成分による真菌の発育抑制効果を明らかにした。<方法>試料は香味野菜15種(ナガネギ・ショウガ・タマネギ・ニラ・セロリ・ミツバ・エシャロット・ローレル・サンショウ・カラシ・ワサビ・トウガラシ・シソ・パセリ・ローズマリー)。PDA培地にCladosporiumを三点培養したシャーレの蓋に、細かく砕いた試料を、培地に触れないように各1、3、5gずつ設置した。25℃で7日_から_30日間培養後、発育抑制効果により試料を以下のように分類した。_丸1_効果大;7日以上発育抑制。_丸2_効果小:7日未満で発育確認。<結果>ナガネギ・タマネギ・エシャロット・ワサビ・カラシの5種が効果大であった。今回、ニラを除くすべてのユリ科の試料で効果大となった。ニラに関しては、試料の腐敗によるコンタミが見られたので、効果が見られなかったと考えられる。

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© 2004 一般社団法人 日本家政学会
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