一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
(一社)日本家政学会第56回大会
セッションID: 2-1-50
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固定化酵素膜を検出器とした高速液体クロマトグラフィーによるグルコースとスクロースの同時定量
村上 和雄*成田 素子高橋 明子水書 加奈子
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抄録

酵素のもつ分子識別機能と触媒作用を利用するバイオセンサーは物質を選択的に検出できるので有力な分析法である。 演者らはグルコースオキシダーゼ、ムタロターゼ、インベルターゼを光架橋性樹脂のPVASbQに固定化した酵素膜を調製し、この膜で白金電極を被覆してバイオセンサーを調製した。そして、HPLCの分離カラムあとにこのバイオセンサーを接続し、スクロース、グルコースがカラムで分離された後、酵素反応で生じた過酸化水素を電気化学的検出した。  スクロースが検出されるまでの酵素反応は次の3段階を経る。スクロースはインベルターゼにより加水分解されαーDーグルコースに、ついでムタロターゼによりβーDーグルコースに変換され、さらにグルコースオキシダーゼにより過酸化水素とグルコノラクトンに酸化される。この過酸化水素を白金電極で電解酸化し、その時の電解電流からスクロースを定量する。グルコースの定量はスクロースの最後の酵素反応と電解酸化を利用している。 本研究では、HPLCのスクロース、グルコースの分離の条件の検討、バイオセンサーで測定するための最適条件(pH,塩濃度)、検出器の設定条件等を検討した。電解電流とグルコース、スクロース濃度の関係(検量線)は1×10_-_8_から_1×10_-_6(r=0.995)の範囲で良好な直線性を示した。そして、市販の食品中のスクロース、グルコースの定量に応用した。

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© 2004 一般社団法人 日本家政学会
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