一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
(一社)日本家政学会第56回大会
セッションID: 2-3-6
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家事の意識実態における熟年・若年専業主婦の違い
*多邊田 美香深井 尚子弦巻 和
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キーワード: 意識実態, 家事, 専業主婦
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抄録

【目的】家事実態については、いままで家事時間で比較されてきた。しかし、時間の長さだけでは家事実態は表しきれていないと思われる。そこで家事がどんな時間帯に実施されるのか「生活時間帯調査」を行い、現代の熟年・若年専業主婦の家事実態を明らかにした。【方法】1)インターネット調査:2003.6 2)郵送留め置き式アンケート:2003.7<首都圏在住・核家族 218人>      (20_から_30代専業主婦131人、40_から_50代専業主婦87人 どちらも子供あり)【結果】40_から_50代の熟年世代は、洗濯・掃除・朝食の片付けなどの多くを午前10時頃迄に終えるのに対し、20_から_30代の若年世代では、昼ごろまでに終える傾向にあり、洗濯や掃除については夕方以降の実施もあるなど、家事時間帯に世代の違いがあることが分かった。このような違いは、家事意識の差から生じると考え、家事意識の視点から見ると、衣食住に関する基本意識(「食事はできるだけ手作りしたい」「汚れに気づいたら掃除したい」等)に大きな差は見られなかった。しかし「家で揚げ物をしたくない」「使う食器の枚数を減らしたい」等の省力化意識は、若年で強かった。さらに家事行動を詳細に見ると、熟年の洗濯には「汚れの前処理」「仕分け」など工夫があるが、若年は洗濯機まかせという家事の質の違いや、若年では実施頻度が低下している家事や「しない」家事があることが分かった。いわば熟年の家事は、意識も行動も[しなければならない(must)]であるが、若年の家事は、自分の価値優先[しなくてもよいものは省略・後回し(select)]ではないかと推測され、この家事に対する思いの差が、家事時間帯の違いとして現れたと考える。

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© 2004 一般社団法人 日本家政学会
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