<目的>若い女性が洋服を購入する際に、服のデザインやサイズ、ブランド名、価格、等の条件によって購買意欲や購買行動が左右されると考えられる。本研究では、女子大生が日常よく着用する洋服のアイテムについて、服のデザインのみを情報として提供したときと、その他の情報(ブランド名・価格)を提供したときで、彼女たちの商品に対する購買意欲がどのように変化するのかを比較し、考察を行った。<方法>まず、洋服の購買を決定する際に関係すると思われる25の意識項目について、5段階で回答してもらった。次にシャツ、Tシャツ、スカート、ジーンズの4つの基本服アイテムについて、定番のデザインと流行のデザインの服画像を各4種類ずつ選定し、11の形容語対について5段階で官能評価を行った。また、各画像にブランド名と価格の2つの条件を設定し、それらを画像に記載した試料についても同様に評価を行った。<結果>因子分析を行った結果、洋服購買意識については、「ファッションへのこだわり」「着こなしの計画性」「他人からの影響の受けやすさ」「着心地と新製品志向」「同一アイテムへの執着」の5因子が抽出された。服アイテム画像の評価については、「嗜好と購買意欲」に関する因子がかなり強く表れた。全体的にジーンズへの購買意欲が高く、スカートへの購買意欲は低かった。有名ブランド品であっても価格が許容範囲を超えると購買意欲は低下し、適正価格と判断すると購買意欲は上昇した。逆に基本アイテムの場合、量産型ブランドでも低価格であれば購買意欲は高くなる傾向が見られた。女子大生は、デザイン、ブランド、価格とのバランスを考慮して購入していることがわかった。