一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 1Ca-6
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カンボジアにおける発酵米麺の一般成分と微生物について
*池田 昌代加藤 みゆき長野 宏子阿久澤 さゆり大森 正司
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抄録

目的 東南アジア各地で伝統的に継承され食されている発酵米麺について、製造方法や製造過程に関与している微生物が、米の成分にどのように影響しているか報告してきた。今回は、カンボジアにおける発酵米麺の一般成分及び微生物の普遍性について検討したので報告する。方法 2004年8月に、カンボジアの各地で、発酵米麺に関する聞き取り調査及び試料採取を行った。発酵工程中の微生物は、現地にてペトリフィルム(住友3M)を用い、好気性菌、カビ・酵母、乳酸菌数等の測定を行った。原料米及び発酵米麺等の試料は、現地にて常温乾燥後持ち帰り磨砕後80メッシュに調製した。一般成分は、(水分、灰分、粗タンパク、粗脂肪)、アミノ酸、有機酸の分析を行った。また、SDS-PAGEでタンパク質の挙動を確認した。結果 製造過程における微生物は、いずれの地域の試料にも107_から_108cfu/gの乳酸菌が存在し、これまで調査を行ってきた国々の発酵米麺と同様に、発酵工程での乳酸菌の関与が示唆された。カンボジアで採取した原料米の一般成分は、灰分0.23% _から_0.27%、粗脂肪0.17% _から_0.72%、粗タンパク1.67% _から_ 3.61%であり、東南アジアの各地で採取してきた原料米より少ない値であった。また、製麺することにより、粗脂肪が著しく減少していた。総遊離アミノ酸量は、浸漬米、シトギ塊の時に顕著な増加がみられ、米を浸漬する工程で、原料米にみられない乳酸が検出された。SDS-PAGEによる、タンパク質の挙動では、製造工程を経るごとに、タンパク質が低分子化されていることが確認できた。

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© 2005 一般社団法人 日本家政学会
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