一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 1Ca-10
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発酵食品から分離した乳酸菌の人工消化液耐性
*磯部 由香成田 美代安見 真帆山村 豊裕
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抄録

乳酸菌は近年、様々な機能性を持つことが明らかになってきており、この働きはプロバイオティクスと呼ばれている。本研究では、新規プロバイオティクス乳酸菌を検索するため、発酵食品から分離した菌について、生きて腸管内に到達する可能性について検討を行った。乳酸菌の分離にはGYP平板培地を用いた。酸耐性試験は、pHを2、2.5、3に調製した培地に、分離した菌株の前培養液を接種し、3時間培養後、平板培地にて生菌数を測定した。人工胃液耐性試験は所定のpHに調節後、ペプシンを添加した培地に、各菌株の前培養液を接種し、3時間培養後、平板培地にて生菌数を測定した。人工胆汁液耐性試験は、胆汁末を各濃度添加した培地に、各菌株の前培養液を接種し、18時間培養後、濁度を測定した。(1)様々な発酵食品から分離した乳酸菌について耐酸性試験を行った結果、イカキムチから分離された菌のうち、6株はpH2まで耐性を示した。人工胃液耐性試験および人工胆汁液耐性試験においては、上記6株について行った。(2)6株はいずれもペプシンを添加しても、pH2までの耐性が確認された。(3)6株は胆汁末濃度に依存して菌数が減少したが、胆汁末0.3%における耐性は対照の約90%であり、既報の菌株と比較して、非常に高い耐性であった。(4)以上の結果より、人工消化液耐性を示すことが確認された菌株について同定試験を行った結果、Lactobacillus属の同種の菌であると同定された。

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