一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 1Da-3
会議情報

乾燥海藻類の食文化について
*江間 三恵子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

〈目的〉近年、海藻は健康食品といわれているが、古来から海藻は日本人の食生活に深い関係のある食品である。そこで、海藻類の加工食品化の発展の時代背景とその変遷の過程を明確にし、乾燥海藻類が食文化や食生活への与える効果やその影響などを特許公報の調査によって考察する。〈方法〉乾燥食品の種類および製法、用途を特許庁公報の台帳(明治18年:1885から平成16年9月:2004までの119年間)をもとに昆布、若布、海苔、寒天などの特許公報を検索し、特許の内容から乾燥食品の種類、特性およびその製法等の特許を調査した。〈結果〉海苔に関する特許266件(44.3%)をトップに、寒天91件(15.2%)、昆布63件(10.5%)、海藻の粉末32件(5.3%)、若布29件(4.8%)ヽの順(%は総数に対する割合を示す)になり、「海苔」、「昆布」、「若布」の特許件数がやはり多い。海藻類の乾燥法に関する特許は総数614件であり海苔の乾燥法や機器/装置の改良に関する特許は圧倒的に多い。〈結論〉家庭では味つけ海苔が好まれ、外食産業ではおにぎり、海苔巻きなどが好まれている。市販製品ではふりかけ、お茶漬け海苔などが多く利用されている。海藻類は粉末化し、めん類、コンニャク、煎餅、スナック菓子などに添加しているが特許もこのような製品の開発、製造に関するものが多い。海藻類は健康食品として認識され海藻サラダなどの開発は進展しているがこれ以外の新規の食品に関する開発は遅れているのではないかと思われる。最後に日頃御指導、ご鞭撻いただいている東京農大、田所忠弘教授、鈴木和春教授、中島常雄名誉教授、相模女子大、野田艶子講師の各先生に感謝します。

著者関連情報
© 2005 一般社団法人 日本家政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top