一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
57回大会(2005年)
セッションID: 1Ga-3
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市販エコ(健康)ワックスの比較
*ディアス デェイシー小林 靖尚中井 敏博田中 辰明
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抄録

目的 塗料や接着剤と並んでワックスからの揮発性有機化合物(VOCs)放散はシックハウス症の原因となることが多いと考えられる。対策品はエコワックス、健康ワックスの名称で市販されているが、これらのVOCs放散についての性能を明らかにする目的でVOCsの放散、特に放散速度の経時変化を測定した。方法 JISA1901に準拠した方法によって放散速度の経時変化を測定した。市販のエコワックスをアルミ板に塗布し、20Lの小形チャンバ_-_内に設置し、流出気流中のVOCsを吸着管で捕集した。アルデヒド・ケトンはDNPHカ_-_トリッジで捕集し、アセトニトリルで抽出し、抽出液を液体クロマトグラフィ_-_で分析した。その他のVOCsはTenax TA 管で捕集し、熱脱着GCMSで分析した。結果 主成分として亜麻仁油を含む植物性100%のワックスでは、プロピオンアルデヒドの放散が目立った。これは、亜麻仁油からプロピオンアルデヒドの放散が顕著であることと一致した。しかしこのワックスでは、亜麻仁油で見られるような空気酸化によって生成するアルデヒド・ケトンの放散は見られなかった。主成分として荏胡麻油、ライスワックス等を含む植物性100%のワックスでは、塗布して4日程度経過した後、空気酸化によって生成したと考えられるアルデヒド・ケトンが放散し始めた。天然系塗料・ワックスを開発してきたリボス社(独)製で、主成分にシェラックワックス、コ_-_ン胚油、植物グリセリン等を含む水性ワックスでは、低級脂肪酸の放散が見られた。蜜蝋ワックスは植物性ワックスと比較し、概してVOCs放散が少なかった。

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© 2005 一般社団法人 日本家政学会
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