一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
59回大会(2007年)
セッションID: P-207
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衣食住の洋風化に関する数量的考察(第1報)
-住宅の和室減少経過の地域比較-
*高橋 洋子五十嵐 由利子
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抄録

目的 衣食住の変遷については、従来、衣・食・住という各々の分野において質的な研究が数多く行われてきた。そこで、洋風化という共通の尺度を用いて、変遷を数量化し、衣食住の関連性や地域差等を考察する試みに着手した。本報では、住宅の洋風化の進行経過について、首都圏と地方を比較した事例を報告する。
方法 新聞(朝日・新潟日報)縮刷版注)に掲載されている住宅広告のうち、平面図付きの新築住宅のものを資料とした。1971年('71)から2001年('01)まで10年毎の6月を中心に、戸建住宅・集合住宅ともサンプリングを行った。サンプル数は首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)が271戸、新潟県が326戸であった。1戸毎に洋室数(LDKのLは洋室1室とした)と和室数を数え、総室数に占める和室数の割合(:和室率)を算出した。注)マイクロフィルムや現物製本も含む。
結果 (1)サンプリングの4時点における和室率は、4群〔新潟戸建・新潟集合・首都圏戸建・首都圏集合〕の順に、'71〔84%・84%・66%・58%〕、'81〔75%・63%・41%・30%〕、'91〔34%・27%・27%・21%〕、'01〔19%・20%・18%・11%〕となり、4群とも10年毎に和室率が減少していた。'71から'81の間に、特に首都圏の2群で和室率が減少し、'81の新潟と首都圏の差は4時点中最大であった。'81から'91の間に、新潟の2群で急激に和室率が減少し、'91の新潟と首都圏の差は小さかった。'91から'01の間、4群とも和室率は引き続き減少し、4群間の差は更に小さくなった。(2)1戸当たりの和室数を(1)と同様に示すと、'71〔3.4・2.3・2.3・1.6〕、'81〔3.4・1.3・2.0・1.1〕、'91〔1.7・0.9・1.4・0.8〕、'01〔0.9・0.8・0.9・0.4〕であった。

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© 2007 一般社団法人 日本家政学会
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