一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
59回大会(2007年)
セッションID: A1-1
会議情報

高温環境が幼児と母親の睡眠および寝床内気候に及ぼす影響
*水野 一枝水野 康山本 光璋白川 修一郎
著者情報
キーワード: 幼児, 母親, 睡眠, 寝床内気候
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【目的】高温環境は覚醒を増加させ、レム睡眠、徐波睡眠、直腸温の低下を抑制することが知られているが、幼児と母親に着目したものは少ない。そこで、本研究では、アクチグラフを用いて、夏期の高温環境が幼児と母親の睡眠および寝床内気候に及ぼす影響を検討することを目的とした。
【方法】被験者は、心身ともに健康な幼児(3~4歳)と母親8組(男児4名、女児4名)であった。測定期間は7月下旬~8月であった。測定項目は寝床内温湿度、寝室内温湿度、アクチグラフ、主観的睡眠感、温冷感、快適感とした。被験者の自宅でアクチグラフ、寝室内温湿度を7日間連続測定した。7日間の間に2晩、夜間就寝中の寝床内温湿度を測定し、就寝前、起床時の主観的睡眠感、温冷感、快適感を申告してもらった。
【結果】夜間の寝室の温湿度は26.9±1.0℃、69.8±8.6%であった。寝具の枚数や着衣に幼児と母親の間で差は見られなかった。睡眠時間は母親で346.0±60.1分と短く、幼児では518.7±48.8分であった。幼児では、母親よりも有意に睡眠中の活動量が増加し、睡眠効率が低下していた。足部の寝床内温度は、幼児の方が母親よりも有意に低かった。母親が自覚している覚醒回数は2±1.0回であり、このうち子供が原因の覚醒は1.12±0.99回であった。
【結語】高温環境が睡眠に及ぼす影響は母親よりも幼児の方が大きく、母親の睡眠にも影響を及ぼしている可能性が示唆された。
*本研究は平成18年度文部科学省科学研究費の補助を受けて実施された。

著者関連情報
© 2007 一般社団法人 日本家政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top