一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
59回大会(2007年)
セッションID: E1-2
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青年期の食生活状況調査に基づいた家庭科教育の役割
*本橋 洋子原島 恵美子吉田 由紀子中川 靖枝
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抄録

目的 高校生は身体発育のピークを迎え、健康度が高いため、望ましい食生活への関心が低い傾向にある。また義務教育から開放され、行動範囲が広り、外食や嗜好的な食品・飲料に接する機会が多くなる。さらに生活時間の乱れは欠食などの問題を生じやすく、健全な食生活を営む力を身につけることが必要であるが、周囲の働きかけに対しては反発しやすい時期でもある。本研究は学生生活や単身生活へ移行する時期であるため、適切な選択・判断力を身につけさせる具体的な方策の一助としたい。
方法 被調査者は都立高校(普通科・3校)の2年生男女219名とした。主要な調査内容は食生活状況:食事時刻、食事時間、欠食の有無、情報源:食にかかわる必要な情報、食事の準備能力:自分で整えられるか、食生活に対する問題意識や改善意欲等とした。調査票はHR及び、家庭科の授業時に配布し、記入後直ちに回収した。調査票の集計及び統計処理はSPSSを用い、学校別、性別、各項目間の関連はχ二乗検定で行った。
結果 決まった時刻に食事を取っている生徒は平均55%であったが、学校差が見られた。性別では男女とも約3割が決まった時刻に取っていなかった。食事には十分な時間をとっているのは学校差、男女差とも見られなかった。欠食習慣のあるのは学校差が大きかったが平均的には約2割であった。食事や栄養について必要な情報を得ているのは18%から45%と大差が見られた。自分で食事の準備をすることが出来るのは平均56%で、女子は男子より10%多かった。食生活の改善意欲がある生徒は約半数であったが、男子が44%、女子は57%であった。これらの数値は改善の具体的目標とし、家庭科教育における学習の場の担う役割が大きいと示唆された。

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© 2007 一般社団法人 日本家政学会
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