一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
59回大会(2007年)
セッションID: H1-5
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夏期の高齢者男性の選択・設定気温実験における生理および心理反応
*寺田 留美佐々 尚美久保 博子磯田 憲生
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抄録

【目的】既往の研究1)で高齢女性の好む気温と生理および心理反応が明らかにされている。しかし気温選択の要因のひとつである体脂肪量・体表面積などの異なる男性を対象とした実験はあまり行われていない。そこで高齢男性を対象として同様の実験を行い、高齢男性の選択気温下・設定気温下における生理および心理反応を明らかにすることを目的とする。 【方法】実験は奈良女子大学生活環境学部環境調節室で行った。被験者は健康な高齢男性23名で、好む気温を明らかにする選択気温実験および24~32℃の気温下に被験者を曝露する設定気温実験ともにご協力して頂いた。被験者は夏服着用(0.4clo)で選択気温実験・設定気温実験ともに椅子座安静で行った。実験中は生理反応として皮膚温・舌下温・血圧・心拍数・体重を測定し、心理反応として温冷感・快適感などを申告してもらった。実験は2006年8月18日~9月6日に行った。 【結果】選択気温実験において高齢男性の選択気温範囲は24.8~27.9℃と、高齢女性の選択気温範囲24.4~29.3℃に比べて狭かった。平均選択気温は高齢男性26.7℃、高齢女性27.0℃とほぼ同等で、平均皮膚温においても男性33.7℃、女性33.8℃と性差はみられなかった。設定気温実験において高齢男性は気温24℃の場合、女性より躯幹部皮膚温が低下する傾向がみられた。この傾向は選択気温実験で低い気温を選択した人ほど低下していた。男性は女性より「やや涼しい」と感じるとき最も快適性は高くなり、26℃近傍で最も快適性が高くなった。 [文献]1)衣笠奈々恵(2005):高齢者の個人差を考慮した至適温熱環境に関する研究,平成17年度奈良女子大学修士論文

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© 2007 一般社団法人 日本家政学会
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