一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
59回大会(2007年)
セッションID: G2-1
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福井県の行事食に関する実態と変遷
*橋本 明子南 アイコ佐藤 真実岸松 静代谷 洋子
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キーワード: 行事食, 福井県, 調査
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抄録

目的 現在、中食産業の進出や欧米化の拡大により、昔から伝えられてきた伝統料理や行事食が減少傾向にあるといわれる。食育推進基本計画の中においても、伝統的な食文化への配意について日本の食文化を受け継ぐための計画がなされている。そこで、福井県の行事食の実施について10年前、20年前よりの変遷についてまとめ、現状について報告することとした。
方法 調査時期は昭和57年、平成8年、平成18年とし、調査対象は県内の嶺北地区に在住する(していた)計1670名とし、自記式留置法により調査を行った。調査行事は27項目したが、比較できた行事としては正月、ひな祭り、大晦日などを含む18項目であった。主な調査内容は(1)行事の実施状況について、(2)行事料理について、(3)行事料理の内食、外食状況についてである。いずれも集計し、統計解析を行った。
結果 現在、もっとも実施されている行事は、正月(94.7%)、大晦日(93.4%)であった。また実施率の低い行事は、左義長(9%)、報恩講(13.7%)などであった。現在、行事を行わない理由としては、元々行わない、知らないなどで、実施する人が自然減少し食文化の継承がなされていないことが浮き彫りとなった。行事料理は27項目中11項目で中食の利用がみられたが、正月の雑煮は内食(93.4%)が多い結果となった。行事食の変遷については、とくに実施率が増加傾向にあるものとして、ひな祭り、端午の節句、クリスマスなどの子供(孫)に関わる行事があげられた。また減少傾向にあるものとして、20年前に80%の実施率であったお盆が現在36%まで減少していた。

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© 2007 一般社団法人 日本家政学会
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