一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
60回大会(2008年)
セッションID: 3P34
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3日目ポスター発表
熱源の違いが炒飯の出来上がりに及ぼす影響
-ガスコンロとIHヒータの比較-
*大場  君枝伊藤 敬恵山中 なつみ小川 宣子
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抄録

[目的]熱源の違いは料理の味や食感などに影響を及ぼす可能性があると考える。そこで本研究ではガスコンロとIHヒータを用い熱源の違いが炒飯の塩味と物性に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。
[方法]フライパン(アルミ製)に油(材料重量5%)を入れ、ガスコンロ(リンナイ製)、IHヒータ(ナショナル製)を用い強火で180℃に加熱し(到達時間:ガス;1’39”、IHヒータ;1’58”)、飯440g,葱20g,塩1.8g,醤油8.2g,いり卵50gを順に加え炒めた。調味料は全材料中の塩分濃度が0.6%になるよう添加した。炒め方は材料を1回返した後10回(4回/秒)切る操作を55回繰り返した。食べたときの塩分濃度を比較するため炒飯10g中の塩分濃度をNaイオンメーターで測定した。口に入れたときの付着性、硬さをクリープメーター(圧縮率20%)塊法にて測定した。炒飯の水分量を赤外線水分計にて測定し、塩味と硬さについて官能検査を行った。
[結果]炒飯の塩分濃度はガス0.64%となりIHの0.61%に比べ有意(p<0.01)に濃く、官能検査でも裏づけられた。炒飯の硬さはガス3.7×103Pa、IH2.7×103PaとなりガスがIHより硬く、塩味と同様官能検査結果と一致した。炒飯の水分量は白飯46%に対しガスが28.6%、IH33.0%と加熱により減少し、ガスがIHに比べ有意(p<0.05)に低くかった。IHではフライパン温度が底面のみ上昇するのに対しガスは側面も均一に上昇することから、ガスの場合にIHよりも水分蒸発が大きいため、炒飯の塩味が強く、硬く感じた可能性がある。よって熱源の違いが炒飯の塩味及び硬さに影響を及ぼす可能性が示唆された。

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© 2008 一般社団法人 日本家政学会
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