一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
60回大会(2008年)
セッションID: 2G13
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2日目口頭発表
上肢挙動に伴うブラジャーフレームのズレとカップ内乳房の動き
*岡部 和代出口 明子杉本 次代知念 葉子
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抄録

〈B〉目的〈/B〉 ブラジャーと人体との関係の解明は,若年女子については進んでいるが,中年女子については遅れている.しかし,ブラジャーの整容性や動きやすさといった機能を必要とするのは,乳房形状が整った若年女子よりも乳房形状が崩れた中年女子であろう.そこで,本研究では年代の異なる被験者の,上肢挙動に伴うカップ内の乳房の動きやブラジャーフレームのズレを明らかにして,年代に応じたブラジャー設計の指針を得ることを目的とした.〈BR〉〈B〉方法〈/B〉 被験者は22歳,25歳,36歳,45歳,56歳の成人女子5名とした.試料はフルカップブラジャーでカップ部が半透明のものである.乳房上の測定点に発光ダイオードをつけ,上肢挙動に伴う測定点の動きを運動画像解析システムで取り込んだ.フレームのズレは,皮膚上に印したブラジャーの輪郭線とフレーム上下辺が離れる距離を,取り込んだ画像上で測定して求めた.〈BR〉〈B〉結果〈/B〉 上肢挙動による乳房の動きは水平方向より垂直方向に大きいが,それは硬く乳房の形の整った若年女子より,柔らかく乳房が下垂した中年女子に大きかった.ブラジャー着用時には,乳房の動きが全体に均一化する傾向が認められ,年代間の差が縮まった.ブラジャーフレームのズレ量は,カップ上辺の正中側が少なく,腋窩に近い脇上辺や下辺の正中線近傍が多くなった.また,若年女子は前面が,中年女子は背面がズレ易い傾向にあった.ブラジャーと人体の関係は年代や部位によって異なることから,年代別の生体特性を考慮した設計が求められる.

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© 2008 一般社団法人 日本家政学会
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