一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
61回大会(2009年)
セッションID: 2C-2
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大学における各学部生の健康管理および食行動の比較
*野村 幸子加賀谷 みえ子木村 友子
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抄録

[目的] 管理栄養学部(管理栄養士・栄養教諭:K学部と略記)とヒューマンケア学部(養護教諭・幼稚園教諭・保育士養成:H学部と略記)の学生は,卒業後,食育の一翼を担うことが求められている.そこで,学生の食教育と健康教育の必要性を見出す目的で,健康行動と食行動に関するアンケート調査を実施し,学部間の比較を行った.[方法] 対象:1年生,K学部172名,H学部151名,回収率91%,調査時期:2008年7~11月,調査方法:質問紙法・留置法,調査内容:健康行動:健康への関心,健康状態,健康食品の利用・目的,運動習慣,生活の自己評価,食行動:栄養への関心,栄養の偏り・不足の自己評価,食事の栄養バランス配慮,食事摂取状況,調理の好き嫌い,外食及び食品購入時の成分表示利用等である.結果の解析はχ2検定を行った.[結果] 現在の健康状態は,K学部生とH学部生は類似していた.健康に対する関心度は,H学部生が24%,K学部生はその約2倍であった(p<0.01).健康食品を利用する割合は,H学部生の方がやや多かった.栄養に対する関心度は,「ある」の回答がK学部生は86%に対し,H学部生は20%であり,有意差がみられた(p<0.01).栄養バランスへの配慮は,K学部生の方がH学部生より有意に高く,調理の好き嫌いでは,「好き+まあまあ好き」の回答者はK学部生が91%に対し,H学部生は70%であり,外食及び食品購入時の成分表示の利用では,「よく見る+まあまあ見る」の回答者は,K学部生の方がH学部生より有意に高く(p<0.01),学部間に意識の相違がみられた.H学部では栄養への関心と健康行動が結ぶつく教育の必要性が示唆された.

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© 2009 一般社団法人 日本家政学会
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