一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
61回大会(2009年)
セッションID: 3F-7
会議情報

ポリプロピレンとポリエチレンの接着性と塗装性の改良
*金澤 等
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

目的 ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)のようなポリオレフィンは強度と耐薬品性に優れているが、化学的に安定であるために改質が困難で、染色や他の材料との接着性が困難である。接着用のプライマーが市販されているが、実用的効果は少ない。これらの材料の表面改質を行い、金属、紙、木材、アクリル樹脂等との接着性や塗装性の改良を目指した。 方法 1)反応:高分子材料に、活性化処理(酸化)と、モノマーとの化学反応を行った。処理後の材料は熱水またはクロロホルムで洗浄して乾燥した。 2)接着:処理材料と、金属、紙、木材、塩ビ樹脂、アクリル樹脂を所定の方法で接着させた。接着剤は、紙には糊(ポリビニルピロリドン)、その他には、アクリル系接着剤(ポリシアノアクリレート、加熱・光硬化型)を用いた。剥離試験:接着面積を10-20mm x 20mmとして、島津AGS-Hで引張速度5mm/minで測定した。3)塗装性:アクリル塗料(ラッカー;ニッペホームプロダクツ(株))を塗布・乾燥後、クロスカットテスト(JIS K5400)を行った。 結果 PPおよび超高分子量PEの未処理材料と、紙、他の樹脂、アルミ板、木材との接着強度は、ほぼ0kg/cm2材料であるが、処理材料は強力な接着が可能となった。処理PPと接着した紙は剥離不可能となった。PPとポリ塩化ビニルの接着では15kgf以上で塩ビが伸び切り、測定不可能となった。超高分子量PEとアクリル樹脂の接着では、アクリル樹脂が破壊される程度の接着が得られたが(1kN/cm2以上)、再現性の問題があった。また、これまで不可能であったアクリル塗装が可能となった。さらに簡便な方法の改良を目指す。

著者関連情報
© 2009 一般社団法人 日本家政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top