一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
61回大会(2009年)
セッションID: 3H-10
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家庭科住居領域における環境教育の実態と課題
小・中学校教科書および環境学習プログラムの分析から
*茨木 宏実金 貞均
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抄録

目的 地球環境時代を迎え環境に配慮した生活が何より求められている中、一人一人の環境意識の向上が重要といえる。こうした時代要請から新学習指導要領・家庭編(2008年3月公示)でも「消費生活と環境」といった項目立てでさらに強調されており、生活者を育成する家庭科の役割は今後ますます大きくなると考える。本研究では環境に配慮した住教育のさらなる充実を目指し、小・中学校の環境教育の実態と連携の必要性および課題を明らかにすると共に、実践的・体験的な教材開発の手掛かりとするために環境学習プログラムの考察を行った。
方法 家庭科教科書から環境に配慮した項目を小・中学校それぞれ確認し、連携した事項を分析した。さらに徳島県環境学習プログラムから、住居分野および住居分野との関連性が高い一部の消費生活分野の項目・全29事例を選別し、内容を考察した。
結果 小学校家庭科における環境に配慮した項目は、衣食住・消費の全分野で幅広く扱われ「環境」マークで分かりやすく明記されている。中学校になるとより項目が厳選され、消費生活分野を中心に発展・応用的な調べ学習により、生活者としてエコ活動を行う素養を育成するものになる。小学校の基礎型をベースに中学校は発展型になり、より深化した内容が一部で見られた。また徳島県では小学校高学年を想定し、現場体験に根ざしたストーリー性のある環境学習プログラムを作成し、教科書よりも細分化され専門分野を含んだ学習内容を確認でき、現在の学習段階より中学校での学習内容ように多角的な視野の必要性を示唆した。

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© 2009 一般社団法人 日本家政学会
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