一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
62回大会(2010年)
セッションID: 2P-58
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携帯電話の使用実態と細菌汚染状況
*岡崎 貴世
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キーワード: 携帯電話, 細菌汚染, 掃除
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抄録

【目的】携帯電話は通信手段のみならず、情報収集のひとつとしても大きな役割を担っており、肌身離さず持ち運び使用されて、現在の私たちの生活には欠かせないものとなってきている。最近では、食事中にも使用している姿が頻繁に見られるようになり、衛生的に問題はないのか気になった。そこで、日常的に使用している携帯電話の衛生状態を把握するため、携帯電話の使用実態(意識調査)および細菌汚染状況を調査した。
【方法】調査は本学学生81名を対象とし、2009年6月12日と7月8日に実施した。調査対象となった携帯電話のタイプは、折りたたみ型58台、スライド型21台、タッチパネル型1台およびストレート型1台であった。細菌検査は、生菌数用・標準寒天と大腸菌・大腸菌群用XM-G寒天(フードスタンプ「ニッスイ」)を使用し、ディスプレイ部と操作部の2ヶ所を検査した。
【結果・考察】検査した携帯電話の約88%から一般生菌が、約12%から大腸菌が検出された。各携帯電話における一般生菌数は、多いものでディスプレイ部10cm2から118CFU、操作部から200CFU以上が検出された。携帯電話の型による菌数の違いは確認できず、全体に見られる傾向としてディスプレイ部よりも操作部の方から多くの細菌が検出された。この理由として、凹凸のある操作部は常に手指で操作しているため細菌が付着しやすいためと考えられた。携帯電話の衛生について「気になる」と回答した人は全体の62%であったが、そのうち携帯電話を定期的に掃除している人はわずか4%であった。このことから携帯電話の「微生物汚染」を真剣に意識している人はほとんどいないと考えられた。

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