一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
63回大会(2011年)
セッションID: 2P-2
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5月28日
食の安全・安心に関する消費者と事業者の認識
-甲府市消費者問題懇話会調査より-
*志村 結美
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抄録

目的 甲府市消費者問題懇話会は、消費生活の安全及び向上を図るため、消費者行政を推進するにあたり、調査研究し、その結果を甲府市長に提言し、今後の消費者行政に反映させることを目的として設置されている。平成20年~22年においては、近年、問題が多発している「食の安全・安心」をテーマに、甲府市に在住する消費者と甲府市で営業等をする事業者の両者にアンケート調査を実施した。そこで、本報告では、「食の安全・安心」に関する甲府市における消費者と事業者、両者の各々の立場の認識と実態を明らかにし、さらには、その認識や実態の相違から見えてくる課題を探ることを目的とした。
方法 甲府市在住の消費者722名、甲府市で営業している事業者75名を対象にアンケート調査を行った。調査期間は2009年11月~2010年1月である。調査内容は、消費者対象調査においては、食の安全・安心に関する意識、食品の表示、食の消費行動、食生活、食の安全対策等、事業者対象調査においては、食の安全・安心に関する意識、食品の表示、食品・食材の仕入れ、事業者として消費者に期待すること、行政への要望等である。
結果 日本の食の安全性に対して、不安であると感じている消費者は85%、事業者は61%であり、消費者の方がより不安感を持っている結果となった。食品表示で気をつけている項目や、食品購入時や仕入れ時に気をつけている項目は、消費者、事業者ともに概ね同様であったが、食品添加物に関しては、消費者の方が意識している割合が多い傾向が明らかとなった。概して、消費者・事業者ともに食の安全・安心に対して関心が高く、一部異なる認識も見られたが、両者が今後協力して食の安全・安心について求めていく必要性が認められた。

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