一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
64回大会(2012年)
セッションID: 2E-3
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口頭発表 5月12日 被服
乾燥藍葉による綿布の染色
道明 美保子*久保田 奈純
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キーワード: 乾燥藍葉, 染色条件,
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抄録

目的藍草に含まれるインジゴは泥藍やすくも藍に加工して染色に用いられるが、多くの手間と精巧な技術が必要なため一般には普及し難い。そこで本研究では、乾燥藍葉を前述の加工をせず染色に用いる方法を検討し、藍製造行程を簡略化するとともにと新たな染色方法を示した。
 方法試験布には平織綿布を用いた。染浴の作製には、タデアイ乾燥藍葉および市販インド藍粉末、ロート油あるいは温湯(40℃)、水酸化ナトリウム(以後NaOHと略記)、ハイドロサルファイトナトリウム(以後ハイドロと略記)を使用した。NaOHとハイドロの適正量、染色時間、浴比、染色温度などを変化し最適染色条件を決定した。染着性の評価はK/S値とa*b*値により行なった。
 結果得られた結果を以下に示した。1)乾燥藍葉の粉砕粒子の大きさは染着量K/S値および染色物の色相に大きな影響を与えないが、微粉末にすることにより扱いやすくなる。2)アルカリ・還元浴作製はNaOH:0.6 g/L、ハイドロ:1.5 g/L が適切である。3)染色時間は10分間で染着量はほぼ一定になる。4)染浴温度は24~60℃では染着量K/S値に大きな影響を及ぼさず、染浴温度の上昇と共に僅かに減少する。5)別浴で染色すると、染色回数の増加に従い染着量は直線的に増加した。同浴での染色でも、別浴染色に比べ僅かに染着量は劣るが同様に増加した。6)綿布のカチオン化処理により、染着量は約2倍に増加する。7)市販インド藍粉末の染着量はタデアイの約58%と少ない。 
  本研究は文部科学省科学研究費補助金(基盤研究(C)課題番号22500720[平成23年度])により行なった。

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