一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
64回大会(2012年)
セッションID: 3P-37
会議情報

ポスターセッション 5月13日
骨粗鬆症女性の服装に関する実態調査
*泉 加代子木枝 奈々子前田 亜紀
著者情報
キーワード: 骨粗鬆症, 服装, 実態
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
目的 我が国の骨粗鬆症患者数は約780~1100万人と推定されている。女性は男性より骨量が少なく、50歳頃閉経期を迎えると急速に減少するため、骨粗鬆症の有病率は男性の3倍である。骨粗鬆症になり圧迫骨折による脊椎の変形や大腿骨頸部骨折によって脚の長さに左右差が生じると既製服が体型に合わなくなる。それが原因で外出が億劫になり、身体能力の低下に繋がるのではないかと考えられる。体型の変化をカバーして外出したくなるような服装の提案を最終目的とするが、本報ではまず骨粗鬆症女性の体型や服装に関する実態調査を実施して基礎資料を得る。方法 京都市内の2ケ所の整形外科医院に通院する骨粗鬆症の中高年女性232名を対象として、配票留置法による無記名のアンケート調査を2011年8月下旬から11月中旬に実施した。調査内容は、症状に関して6項目、発症後の生活について4項目、服装について14項目、フェイス項目2項目、計26項目である。単純集計とクロス集計より分析した。結果 188件回収し、回収率は81.0%である。年齢は55~94歳(平均77.6歳)で、骨密度はYAM41~106%(平均71.0%)、約半数がYAM70%未満であった。全員に20代と現在とに身長差がみられた(0.5~34cm、平均5.0cm)。中高年になってから骨折経験がある人は約45%で、その半数は背骨または腰骨の骨折である。体型変化した人は約90%で、身長が低くなった、背中・腰が曲がったが大多数である。日常動作に変化があった人は約70%で、歩くのが遅くなった、走れなくなった、正座しにくくなったという回答が多い。約30%が衣服の着脱に変化があり、靴下やズボンが履きにくくなったことなどがわかった。
著者関連情報
© 2012 一般社団法人 日本家政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top