一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
66回大会(2014年)
セッションID: 3F-8
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口頭発表 5月25日 家族
共働き夫婦の夫の職場環境と妻の仕事と家庭生活との葛藤
*久保 桂子
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抄録

目的 共働き世帯において、夫の職場環境が夫の家事・育児参加や、仕事が家庭生活への妨げという夫の意識に影響を及ぼすことは、これまでの研究において明らかにしてきた。本研究では、さらに、夫の職場環境が妻の仕事と家庭生活の葛藤とも関連するかを明らかにする。加えて、妻の葛藤と、妻の夫に対する家庭生活への参加要求行為(クレーム行為)との関連についても検討する。
方法 2013年11月に、千葉県西部の公立保育所21保育所の保育園児の保護者を対象に行った質問紙調査の結果を用いて分析する。調査票は家族票・母親票・父親票を組にして2119世帯に配布し、回収は1118世帯分であった(回収率52.8%、有効票は1099世帯、51.9%)。平均年齢は、夫37.5歳、妻35.7歳、平均子ども数1.7人である。
結果 (1) 夫の職場環境が「残業を当然とする雰囲気・残業をしないと終わらない仕事量」の得点が高い場合、妻の仕事から家庭生活への葛藤の得点も高くなる傾向が認められる。一方、妻の家庭から仕事への葛藤との関連は認められない。また、育児など家族の都合を相談できない雰囲気という夫の職場環境は、妻の葛藤と関連がみられない。(2)夫の職場環境の残業関係の得点が高い場合、妻の夫へのクレームの得点も高い。しかし、実際の夫の労働時間の長さとクレーム行為との関連は弱い。(3)妻の仕事から家庭生活への葛藤の得点が高い場合、妻の夫へのクレーム行為の得点も高い。

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