一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
66回大会(2014年)
セッションID: 3P-19
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ポスターセッション 5月25日
米の浸漬時における米内在性酵素の作用について
-品種における違いを検討-
*高橋 真美香西 みどり露久保 美夏
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抄録

目的 これまでに、デンプン分解酵素の米粒内局在,炊飯過程における炊飯液への溶出の有無について確認されている。そこで,炊飯過程の米粒と炊飯液における米内在性酵素の活性と化学成分の生成メカニズムについてより詳細に検討することを目的とし、コシヒカリ、日本晴,羽二重糯を試料として品種間における違いを明らかにした。 
方法 米に加水、浸漬後、昇温中に40℃、および60℃に達した時点で米粒と炊飯液に分離し,それぞれから粗酵素液を調製して、可溶性デンプン、米デンプン、マルトースを基質として加水分解酵素活性を測定した。同温度で昇温中に分離し、それぞれを各温度で保持した時の還元糖量、遊離糖量、遊離アミノ酸量の変化を経時的に調べた。また、味付け飯のモデル実験として、塩化ナトリウム、クエン酸、醤油を添加して炊いた飯の成分分析を行った。
結果 40℃、および60℃で分離した米粒粗酵素液、炊飯液粗酵素液ともに、いずれの品種においても活性が認められたが、品種によって基質に対する働きの強さが異なっていた。温度保持については、米粒では糖量、遊離アミノ酸量に経時的な増加が見られたが、炊飯液中では見られず、酵素の溶出量が少ないことが示唆された。また、調味料を添加した飯の糖量や遊離アミノ酸量は、白飯と有意な差は見られず、塩や醤油の添加が米飯の化学成分の生成に与える影響は少ないことが示唆された。

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