目的 大学生を対象に小学校高学年時(児童期)から大学生まで間の食に関する知識の習得についての調査を行い、それらの知識の習得状況が現在の食生活に与える影響について検討した。
方法 2012年9-10月に長崎県内の2大学の看護及び栄養学系統学科に所属する学生389名を対象に、児童期の生活状況、現在の食生活状況と食に関する知識(食文化、栽培体験、調理技能、食品選択、望ましい食生活についての27項目)の習得状況についてのアンケートを留め置き法にて行った。回収した318名(回収率86.2%)のうち、316名を有効回答(99.4%)として単純集計、クロス集計、χ2検定をした。
結果 (1)食に関する知識では、項目の認識者の割合は18項目で9割以上であったが、「地域の食文化」、「食品の品質の見分ける」、「1食分の献立の立て方」は約7割であった。(2)習得時期や場所について、食文化は「小・中学校」、調理技能は「家庭」を答えた割合が高かった。(3)現在の食生活状況の回答から2群に分けた群別の食に関する知識の認識状況は、望ましい食生活と考えられる高群が低群より全項目の認識が高かった。