一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
66回大会(2014年)
セッションID: 2G-1
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口頭発表 5月24日 食物
エキストラバージンオリーブ油とラードの同時投与による脂質代謝への影響
カテコラミン分泌量及びUCP1を指標として
*狩野 百合子
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抄録

目的 エキストラバージンオリーブ油(EVOO)はポリフェノールを多く含む食品であるが、日常の食生活において単独で多量に摂取することは少なく、実際には他の油脂と一緒に少量摂取することが多いのが実状である。そこで本研究ではEVOOをラードと摂取したときの脂質代謝への影響について調べた。方法 SD系4齢雄ラットに、ラードを30%含むラード食をコントロール食とし、総脂質量(30%)は同じでラードをEVOOで置き換えた5%,10%,15%,20%あるいは30%EVOO食を実験食としてペアーフィーディングで28日間投与した。尿中カテコラミン量をHPLC法、肩甲骨間褐色脂肪組織中UCP1量をウエスタンブロット法で測定した。結果 実験食投与後の体重及び腎周囲及び精巣周囲脂肪重量は、コントロール食群に対しEVOO食群でいずれも低下傾向を示した。血漿中TG、総コレステロール及びFFA濃度は10%,15%及び20%EVOO食群は有意に低い値を示した。カテコラミン分泌量及びUCP1量は、10%,15%及び20%EVOO食群で有意に高い値を示した。以上の結果より、30%ラード食に総脂質量は同じ30%でラードに替えて10%(10%以上では効果は同じ)をEVOOに置き換えて投与することによりカテコラミン分泌量及びUCP1量を増加させ(EVOO単独(30%)投与よりもその効果は高くなり)、脂質代謝を促進させることが示唆された。

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