一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
66回大会(2014年)
セッションID: 2G-4
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口頭発表 5月24日 食物
卵巣摘出ラットの高脂肪食誘発性肥満とインスリン抵抗性に対するエストロゲンの影響
*横田 直子河上 瑞穂森本 恵子
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抄録

[目的]閉経後女性は肥満症や代謝症候群の罹患率が増加する。本研究は、卵巣摘出ラットにおいて高脂肪食(HFD)誘発性肥満とインスリン抵抗性に対するエストロゲン(E2)の作用を検討した。[方法]Wistar系雌性ラットを用い、9週齢にて両側卵巣を摘出し、13週齢にて17β-エストラジオールあるいは偽薬を皮下に埋め込み、それぞれE2群・Pla群とした。さらに、各群を普通食(SD)群とHFD群に分け、後者へHFD投与を開始した。17週齢で経静脈糖負荷試験を行い、経時的に血漿グルコース・インスリン濃度を測定した。2日後に、門脈へインスリン投与を行い、肝臓・腓腹筋を採取し、インスリンシグナル伝達分子であるAkt及び下流分子をウェスタンブロット法により分析した。[結果]HFD投与によりPla群では、SD群と比べてエネルギー摂取量が増え、体重が増加した。一方、E2群ではHFD投与により著しく摂食量が減少し、体重が減少した。内臓脂肪湿重量はPla群ではSDよりHFDの方が増加したが、E2群では変化がなく、どちらの食餌においてもPla群より低値を示した。また、インスリン抵抗性の指標であるグルコース・インスリン指数は、Pla群ではSDよりHFDで高値を示したのに対し、E2群ではHFDによる増加が見られなかった。一方、各臓器においてインスリンによるAktの活性化はみられたが、HFDやE2補充の影響はみられなかった。

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