一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
66回大会(2014年)
セッションID: 2B-4
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口頭発表 5月24日 住居
暖房器具使用時の室内の二酸化炭素濃度と換気の効果
*五十嵐 由利子
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キーワード: 暖房器具, 二酸化炭素, 換気
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抄録

目的 住宅の断熱・気密化が進められ、その住宅性能に合致する暖房方法が増加してきているものの、開放型暖房器具による各室暖房が多い現状である。そこで、本研究では、開放型暖房器具使用時の二酸化炭素濃度(以下、CO2濃度)の実態を把握し、適切な換気方法の提案のための基礎データを得ることを目的に、昨年度は実住宅を対象に開放型暖房器具使用時のCO2濃度が高くなっている現状を報告したが、本報では、換気による効果も合わせて報告する。
方法 新潟市内の2000年建築された住宅1戸を対象に、CO2濃度、温度、湿度が記録できる小型自記記録装置を用いて実測調査を行った。測定を行ったのはLDK(14畳、石油ファンヒーター使用)と居室(大学生の個室、6畳、石油ファンヒーター使用)で、2013年11月8日~12月18日まで測定を行った。なお、居住者は3世代6名で、日中は高齢者夫婦がLDKで過ごしている。
結果 LDKでは8~21時まで継続しての暖房が多く、室温は22℃前後、湿度は50%前後であった。CO2濃度は、暖房開始直後の上昇が大きく、7,000ppmを越えることも多かったが、その後は5,000ppm前後で変動していた。一方、居室では間欠暖房のため、暖房開始後の室温上昇とともに10,000ppmを越えることもあり、非暖房時の最低でも1,000ppmを超える日が多かった。居室での換気を廊下の扉開放、窓開放など試みたが、窓の施錠をせず僅かな換気量の継続が効果的であった。

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