博多湾などに大量発生している海藻のアオサから生活資材を得る検討を行っている。これまでに、アオサに含まれる水溶性粘性多糖の化学変性によって、生分解性に優れる界面活性剤が得られることを明らかにした。本研究では、上記の残渣として得られる水不溶性の構造多糖から紙を得る検討を行った。アオサを粉砕、紙すきをしたものは低強度であったが、加熱プレス処理を行うことによって強度が向上した。これにパルプを添加したものは、強度はむしろ低下したが、粘結剤を用いて紙すきし、プレス処理することによってさらに強度が大幅に向上し、市販のコピー用紙よりも高強度なものが得られることが明らかとなった。