一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
67回大会(2015年)
セッションID: 3E-12
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口頭発表 5月24日 被服
次世代シーケンシング手法を用いてのフェイスタオル上の微生物群集解析
*石田 佳樹高麗 寛紀
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抄録

目的 着用後の衣類上には洗濯後にも相当数の細菌が生存しており、それらの細菌は、衣類上の残存汚れを分解すること等によって臭気を生じる等の問題の原因となることが報告されている。この臭気発生にどのような細菌が関わっているかを分析することを目的として、洗濯前後の衣類上に存在する細菌群を分子生物学的手法により同定した。
方法 10名のパネリストを用いて、使用済みのフェイスタオルを、各パネリスト宅の洗濯機で洗浄後回収し、部屋干し条件下で乾燥した後、洗濯前後のフェイスタオル及び乾燥後のフェイスタオルより細菌を抽出した。回収した細菌よりgenomic DNAを抽出し、細菌の16s rDNA領域に対するユニバーサルプライマーを用い、genomic DNAを鋳型としてPCR増幅後、PCR増幅断片の塩基配列を決定し、データベース解析により、各PCR断片の属レベルでの細菌同定を行った。  
結果 洗濯前のフェイスタオルからはサンプル当り24~118種類の細菌属が検出され、Enhydrobacter属、Strepotococcus属等が高頻度で見られ、グラム陽性菌とグラム陰性菌の比率を比較すると同程度であった。洗濯後のフェイスタオルからは10~125種類の細菌属が検出され、Enhydrobacter属、Skermanella属等が高頻度で見られ、グラム陰性菌の比率がグラム陽性菌に比べ高くなる傾向にあった。グラム陰性菌の比率の増加は、部屋干し中及び洗濯・乾燥後には、より顕著であった。

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