一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
67回大会(2015年)
セッションID: 3I-4
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口頭発表 5月24日 食物
国内主要茶産地で生産された茶の成分と嗜好性
*岡本 由希内山 裕美子高橋 貴洋築舘 香澄加藤 みゆき大森 正司
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キーワード: , 嗜好性, 成分
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抄録

目的 近年,ライフスタイルの変化により,緑茶等のペットボトル飲料が生活に定着し,その原料茶葉は輸入への依存度を増している.国内における茶の生産量は,静岡県が最も多く,次いで鹿児島県,京都府となっており,これら数県だけで大半を占めている.本研究では,国内主要茶産地で生産された代表的な茶について,成分分析および嗜好調査を行い,成分と嗜好性において特徴的な知見が得られたので報告する.
方法 試料は,2014年春に埼玉県(狭山),静岡県,京都府(宇治)および鹿児島県において生産された緑茶の仕上げ茶を用いた.茶浸出液は,茶葉3gに熱湯200mlを加えて3分間浸出後のろ液および常法により完全抽出して得られたろ液を用いた.分析は,色差計による茶葉そのものの外観の測定,380nmにおける浸出液の水色測定,HPLCによる浸出液のカテキン,カフェインおよびアミノ酸の測定を行った.また,味覚センサーによる浸出液の客観的測定を行った.さらに,それぞれの茶の嗜好性を調べるために,茶葉3gに熱湯200mlを加えて3分間浸出させた各浸出液について,82名のパネルによる官能評価を実施した.
結果 国内主要茶産地で生産された茶の成分分析を行ったところ,アミノ酸含量は宇治茶,鹿児島茶の順であり,カテキン類については静岡茶および狭山茶において多く認められた.これらは味覚センサーによる客観的評価の測定結果とほぼ対応するものであった.さらに,82名のパネルにより茶の浸出液の官能評価を実施したところ,それぞれの茶の水色,飲みやすさ,滋味についての評価は,成分分析結果や味覚センサーによる測定結果とも相関性が認められるものであった.

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