一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
67回大会(2015年)
セッションID: 2P-43
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ポスター発表 5月23日 被服
洗濯における再付着防止器具の開発
*木内 正人牧 幹子安藤 孝平
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抄録



目的 洗剤を用いて洗濯を行った後、排水および脱水を行うときに、ミセルとして衣類から脱離した油脂汚れが、ミセルの崩壊により再付着することは良く知られている。ワイシャツの場合、襟と袖口に集中的に再付着するので洗濯後の仕上がりに影響する。我々は洗濯時の再付着を防止する器具を開発することを目的にポリプロピレンやポリエステルなどの親油性繊維を用いて研究を行った。

方法 原油タンカーの座礁事故などのときに油吸着材として利用されるポリプロピレンやポリエステルなどの親油性繊維に注目した。洗濯時に洗濯槽に親油性繊維を入れておけば、再付着は系内で最も親油性が高い繊維に集中すると考えられる。ポリプロピレンもしくはポリエステルの繊維を球状に丸め、カバーを掛けたうえで、人工皮脂、白色布と共に洗濯・乾燥を行った。

結果 白色布の白色度を測定した。その結果、親油性繊維を用いた場合は、用いない場合と比べて白色布の白色度が優れていることがわかった。また、親油性繊維を十分に乾燥して重量を計測したところ、重量が増加しており人工皮脂を吸着したためと考えられる。繰り返し洗濯実験を行ったところ、重量は単調増加した。これにより、親油性繊維を丸めたものが、再付着防止器具として利用できることが判明した。

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