一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
67回大会(2015年)
セッションID: 2P-7
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ポスター発表 5月23日 食物
ウェットティシュと手洗いによる除菌効果の比較
*岡崎 貴世
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抄録

【目的】ウェットティシュは、携帯性にすぐれ水を使えない場所で簡単に使用できるため、外出時や食事の前後の手指の消毒、台所や食卓等において汚れのふき取りや除菌に広く使用されている。多くの使用者は、ティシュの除菌効果を期待して食中毒や感染症予防対策として利用している。そこで、ティシュによる除菌効果がどの程度なのか、水を用いた手洗いによる効果と比較した。
【方法】実験には17種類のウェットティシュを用いた。除菌効果は、ティシュの使用前後で被験者の手のひらの細菌検査を行い、その増減で判定した。細菌数の測定にはフードスタンプ(標準寒天、日水製薬株式会社)を用いた。比較として、両手を1回洗浄後タオルで拭きとる方法(手洗いA)と、両手を2回洗浄後タオルでふき取り70%エタノールを擦り込む方法(手洗いB)を用いた。
【結果・考察】ティシュ使用後の除菌率は、多くのものが50%以下だった。また同じメーカーで比較するとアルコールタイプの方がノンアルコールよりも除菌効果が高い傾向があった。しかし残菌率は個人差が大きく、拭き取り方や使用前の手指の汚染状況に影響されると考えられた。手洗いと比較するとティシュの残菌率が低く、特に手洗いBは洗浄後の細菌数が著しく増加(208%)しており洗浄効果は認められなかった。そこで手洗い熟練者と初心者で比較すると、熟練者の残菌率は低くなり、手洗いの熟練度が洗浄効果に影響することがわかった。

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