主催: (一社)日本家政学会
会議名: (一社)日本家政学会第68回大会
回次: 68
開催地: 金城学院大学
開催日: 2016/05/27 - 2016/05/29
目的 5本指靴下の継続的着用によるパフォーマンスの効果と着脱に与える影響を明らかにし,高齢者への5本指靴下の推奨について検討すること.
方法 健常男子大学生12名を対象とし,普通靴下群と5本指靴下群に6名ずつ分け,1日8時間以上の着用を5日間行った.そして介入前後に重心動揺と反復横跳びの測定,靴下着脱時間の計測,主観的評価(履き心地の悪さと着脱困難感)を行った.
結果 2群間に重心動揺の変化は認めなかった.しかし,反復横跳びでは5本群において有意な向上を認めた.また,着衣時間,主観的評価においても5本群に有意な減少を認めた.理由として,重心動揺においては,対象が変化の少ない男子大学生だったことが考えられる.反復横跳びでは,前内側部の接地面積が広く,ストップ時に床を蹴りやすくなるため,素早く次の動作に移ることが可能となり,5本指群で向上を認めたと考える.主観的評価の変化は,継続的着用による慣れが生じたと考えられる.そのため,今後は高齢者への5本指靴下の推奨について明らかにすべく,着用期間を延長した再実験をおこなう必要である.