主催: (一社)日本家政学会
会議名: (一社)日本家政学会第68回大会
回次: 68
開催地: 金城学院大学
開催日: 2016/05/27 - 2016/05/29
【目的】60歳以上のエルダー層成人女子の衣生活を支援する情報を得るため,自己意識を含む衣服観のタイプと着用するデザイン服との関係について検討した。
【方法】1.デザイン服のイメージ評価:成人女子130名(平均年齢67.30歳)によるデザイン服16着の15項目に関する5段階評価,2.自己意識を含む衣服観の調査:成人女子243名(平均年齢69.23歳)によるデザイン服の利用実態・価値観と衣服観の43項目に関するアンケート。3.多変量解析による分析。
【結果】1.デザイン服16着のイメージを主成分分析とクラスター分析を用いて4つに分類した。2.服の利用実態・価値観と自己意識を含む衣服観の高年齢に伴う生活観の低下と着心地要求,服の購入による精神的満足や衣服の社会的役割意識および衣服管理の維持などを捉えた。3.自己意識を含む衣服観を,因子分析とクラスター分析により5つのタイプ(高齢タイプ,衣服購入時の着心地選択優先タイプ,衣服満足・衣服行動充実タイプ,衣服行動やや充実タイプ,生活観充実タイプ,衣服行動否充実タイプ)に分類した。4.衣服観分類による高齢タイプでは大半のイメージでやや地味な服の評価が高く,衣服満足・衣服行動充実タイプでは高齢タイプと同じイメージでもその中の明るい傾向のデザイン服も好んだ。5.年齢やタイプに関わらず「着てみたいおしゃれだと思う服」は,レディ・フェミニン&エレガント・シックやモダン・シャープイメージの評価の高い外出着であった。