一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
68回大会(2016)
セッションID: 3E-10
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口頭発表 5月29日 家族
父親の子育て共有と学びに関する意識
*小崎 恭弘
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キーワード: 父親, 共有, 子育て支援
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抄録

目的 未就学児を持つ保護者(父親、母親)の父親の育児に関する意識を明らかにし、父親の育児支援の方策の理解を得る。特に父親の育児の共有の在り方と学習に関して、具体的な意識を探ることにより、今後の父親支援の在りようについての知見を得る。
方法 2015年2月時点でA県B町在住で、未就学の子どもを持つ保護者全員を対象とする。未就学児総数514名であり、兄弟がいる家庭については一家庭一部の配布とした。保育所に通っている保護者に保育所を通じて配布と回収をする。また保育施設に所属していない家庭については、町より郵送によりアンケートを発送し回収する。配布総数325部、回収総数166部、回収率51.08%。有効回答数、父親164部・母親164部。調査期間は2015年2月に配布・回収を行う。
結果 アンケートより3つの点が明らかになった。1.父親と母親の間に育児・家事分担のアンバランスさが存在する。2.父親と母親の間に育児に対する大きな意識の違いが存在している。3.父親は育児参加の意義を認め、育児の共有の場を求めている。
父親たちは決して育児をしたくないわけではない。長時間労働・通勤などによる物理的な制約。成育歴の中で育児を学ぶことがなかった、自らのスキルや知識不足。男性が育児に関わるべきではないという社会規範。これらの文化の中で育児ができないようになってきた。父親の育児の共有の文脈は、これらの父親たちが育児をできない社会に変化を起こす一つの試みである。

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