一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
68回大会(2016)
セッションID: 3D-07
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口頭発表 5月29日 児童
転居者の多い地域で求められる子育て支援の取り組みと特徴
*吉山 怜花吉川 はる奈
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抄録



目的 子育て支援施設は各地で整備がすすめられ、そのうち政令指定都市は転居の多い家族も多く、子育て中の利用者のニーズが多様であると予想される。全国で進められている子育て支援施策においては各地域に合わせた取り組みをすすめていくことが重要とされているものの十分な検討はされていない。本論では、政令指定都市で子育て支援施設を利用している母親・父親がもつ子育てや生活に関わる意識の特徴について明らかにし、転居者の多い地域にある子育て支援施設でどのような支援が求められているのか、その支援が子育て中の家族にどのような影響を与えるか検討する。

方法 政令指定都市のうち4市をとりあげ、子育て支援施設の職員4名に利用者の特徴その他について聞き取り調査を行い、転居者の多い地域の子育て支援ニーズと支援の特徴を整理した。調査時期:2015年11月~12月

結果 聞きとりの結果、子育て支援施設を利用する母親及び父親は他の地域から引っ越してきた人が多く、新たな土地での子育て情報や子育て仲間を求めて来館していること、一方で、子育て仲間の関係形成は課題も多く、慎重にしていく必要があることを強調していた。先行研究では、子育ての不安が少ない母親は自己効力感が高いと指摘があるが、子育ての情報提供や新たな仲間との出会いがスムーズに行われる支援を通して、子育ての充実感、親自身の自己肯定感を高められるよう、予防的な支援が求められる。

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