一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
68回大会(2016)
セッションID: 3F-13
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口頭発表 5月29日 食物
大学生におけるハラール食対応の異文化理解のための食育教材の検討
*岸本(重信) 妙子平松 智子新田 陽子田淵 真愉美我如古 菜月川上 貴代久保田 恵井上 里加子芦内 菜月川下 陽子
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抄録

目的 グローバル化が急速に進む日本で、宗教上の文化の違いや食の禁忌に対応できるように、異文化理解を進めることが重要となっている。そこで、大学生を対象として、ハラール食対応の異文化理解のために、グループワークを用いた食育教材を開発し、またハラール食の喫食による比較官能評価を行って、その効果を検討した。 方法 Ⅰ.ハラール食に関する食育教材及びその中で使用する2献立によるワークシートを作成し、大学の栄養学科2年次生42名を対象として2015年10月に食育授業を実施し、授業後アンケートを自己記入式で行った(回収率・有効回答率ともに100%)。Ⅱ.集団給食施設での大量調理を想定した2種類のレシピのハラール対応食を実際に喫食してもらい、普通食との比較官能評価を栄養学科4年次生30名を対象として同年11月に実施した。得られたデータは統計ソフトSPSS(22.0)を用いて分析を行った。 結果 ワークシートによるハラール食対応に関して食材ではなく調味料に不正解が多かった。授業後アンケートでは醤油・味噌についての正解率が81%のみであった。地域的な事情等からムスリムとかかわる機会が乏しく、ハラール食に関する予備知識や異文化理解について学ぶ機会があまりなかった場合でも、グループワークを用いたハラール食に関する食育授業を行うことや実際の喫食によって、ハラール食への理解に効果があり、異文化理解が進むことが示された。

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