一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
68回大会(2016)
セッションID: 3F-14
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口頭発表 5月29日 食物
幼児教育現場から提案できる実践的食育カリキュラムの検討
*加藤 美香子高田 忠助
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キーワード: 食育, 乳幼児, 教育
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抄録

現在,幼児教育現場において食育への取り組みに関心が持たれていることは広く知られるところである.実際に,食育は教育内容の主柱の一つになっている.これは内閣府による『第2次食育推進基本計画』において,「特に人格形成期にある子どもの食育は重要である」と記載されていることからも明らかである.

しかし同時に,重視されるべきと謳われている食育の実践方法,内容については明確な柱が存在しない.現在の食育の主たる実践方法,内容は“栽培して食べる”“「いただきます」を言うことで感謝の気持ちを育てる”などであり,個々の活動の目的や現在の食育実践から育つ力というものが具体的に見えない.

そこで本研究では,学校法人愛光学園 幼保連携型認定こども園 三和幼稚園・キンダーガルテンに在籍する0~5才の乳幼児164名を対象に,食育について独自のカリキュラム構成および教育実践,検討を行なった.

これに伴いまず,乳幼児期の食育のねらいを5本の柱に集約し,実践研究を行う上で「発達食育学」として独自の定義づけを行なった.

(1)食心育:食への感謝・生命への感謝

(2)食楽育:食の楽しさや食べ物への興味関心

(3)食共育:食を通じた、人とのつながり

(4)食律育:食を通じてルールを学ぶ

(5)食体育:健康な体作り

また客観的評価の指標として,保護者からのアンケート回答結果を使用した.これにより,幼児教育現場からの実践的食育カリキュラム提案ができる可能性があることが示唆された.

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